Spreadyとは|社外コラボレーターと共創する新規事業支援

この記事は、ネクストイノベーションベース編集部の花田 海が書きました。

新規事業の仮説はある。ところが、確かめたい現場の人と接点がなく、社内会議だけが続いている。Spreadyは、そんな企業担当者と社外の実務者をつなぎ、対話による仮説検証を支援するサービスです。

提供するのは、調査レポートだけではありません。想定顧客や業界の実務者と直接話す「共創セッション」を起点に、誰に何を聞くかの整理、検証の実施、結果を次の判断へつなげるところまで、必要な範囲で支援します。

サービスは共創探索、検証支援、BPaaSの3つ。加えて、アイデア発散を支援するAIプロダクトHASSANがあります。この記事では、それぞれの役割、利用の流れ、Spreadyが向く状況と向かない状況を整理します。

Spreadyとは、社外の実務者と仮説を確かめるサービス

Spready(スプレディ)は、新規事業の仮説を持つ企業担当者と、その仮説について話せる社外の実務者をつなぐサービスです。運営会社はSpready株式会社。企業と実務者が対話する場を「共創セッション」と呼びます。

たとえば、物流の配車業務を知りたいとき、業界について解説できる人と、毎日配車を組んでいる人では、得られる情報が違います。Spreadyが接点をつくるのは、想定する課題や意思決定を日常業務で経験している人です。

共創セッションでは、企業側が構想を一方的に説明して評価を求めるのではなく、実務者の現場で課題がどう起き、現在どのように対処されているかを確かめます。持ち帰るのは好意的な感想ではなく、次の仮説を変えるための発言です。

仮説が固まり切っていない段階では、誰に会うべきかも途中で変わります。最初から対象者を一人に絞り込まず、近い役割の人にも話を聞いて、本当に困っているのは誰かを絞り込んでいきます。

Spreadyが社外との対話を支援する理由

社内の関係者と既存顧客だけで検証すると、聞ける意見に偏りが出ます。既存顧客は、すでに自社の商品や提案を選んだ人です。新規事業が狙う市場の外側にいる人の判断は、その母集団からは見えません。

社内の壁打ちでは、自社の技術、商流、予算、過去の経緯を全員が知っています。議論は「自社で実現できるか」へ進みやすく、「そもそも相手は困っているか」が後回しになります。企画書だけが細かくなって、肝心の「欲しい人がいるか」は確かめられないままです。

社外の実務者は、自社の都合を前提にしません。「その作業は現場に存在しない」「決めるのは別の部署だ」「すでに別の方法で解決している」と返すことがあります。耳の痛い答えですが、実装前に聞ければ、対象者や課題の置き方を変えられます。

ただし、社外の人に会えば自動的に検証になるわけではありません。何が分かれば次へ進めるかを決め、実際の行動を聞く質問を用意する必要があります。Spreadyの支援範囲は、その設計を企業側で担うか、支援に含めるかで分かれます。

Spreadyの3サービス——共創探索・検証支援・BPaaS

3つの違いは、事業の大きさではなく、検証のどこまでを社内で回せるかです。会う相手の探索だけが足りないのか、検証設計から伴走が必要なのか、継続運用そのものを外へ置きたいのかで選びます。

共創探索——会うべき相手を探し、仮説の輪郭をつくる

共創探索は、想定顧客や有識者との接点をつくり、対話を重ねながら仮説を修正する支援です。テーマはあるものの、誰に何を聞けばよいか決まり切っていない初期に向きます。

企業側は、質問を設計し、共創セッションに参加し、発言から示唆を取り出します。Spreadyは、確かめたい問いをもとに人物像を整理し、条件に合う実務者との接点をつくります。

検証支援——何を確かめるかから、次の判断まで伴走する

検証支援は、問いをつくる前段から関わります。何が分かれば事業を続けるのか、対象者は誰か、どの質問で確かめるかを整理し、共創セッションの実施、結果の整理、次の行動までつなげます。

社内に検証の進め方がなく、面談をしても報告で終わってしまう場合に合います。反対に、判定条件とインタビュー設計が社内で決まっているなら、共創探索だけで足りることがあります。

BPaaS——検証を回す業務プロセスを継続して担う

BPaaSは「Business Process as a Service」の略で、個別の作業ではなく、業務プロセスを継続して提供する形です。Spreadyの新規事業支援では、仮説を立て、実務者へ聞き、結果を整理し、次の検証へ進む一連の運用を対象にします。

複数のテーマを同時に動かしている、担当者の異動で検証を止めたくない、面談のたびに進め方を作り直している企業に向く形です。方針と最終判断は企業側に残し、検証を回す実務を継続させます。

サービス

Spreadyが担う範囲

企業側に残ること

向く状況

共創探索

会う相手の整理・探索・接点づくり

質問設計・面談・示唆の抽出

仮説はあるが、話せる相手がいない

検証支援

検証設計・接点づくり・実施・結果整理

事業判断・社内調整

担当者はいるが、検証の進め方がない

BPaaS

検証プロセスの継続運用

方針決定・結果の評価

複数テーマの検証を止めずに回したい

SpreadyとHASSANの役割分担

HASSANは、新規事業のアイデアを発散するAIプロダクトです。共創探索、検証支援、BPaaSが人との対話を扱うのに対し、HASSANは検証候補となるアイデアを広げる前段を担います。

少数の案だけで評価を始めると、手元にある案の中から無難なものを選びがちです。AIは、異なる顧客、課題、技術の組み合わせを出し、検討の幅を広げる場面で使えます。

ただし、AIが生成した案は需要の証拠ではありません。言葉として筋が通っていても、現場に課題があるか、予算を使う人がいるかは別です。HASSANで候補を広げてから、共創セッションで実在する人の行動を確かめます。発散と検証は分けて扱います。

Spreadyのコラボレーターとは

コラボレーターは、企業の新規事業担当者との共創セッションに参加する社外の個人です。特定の業界、職種、業務、生活上の経験を持ち、その経験をもとに企業の仮説について対話します。

企業側は、コラボレーターを単なるアンケート回答者として扱いません。構想と知りたいことを開示し、現場の実態と照らして一緒に考えます。質問だけを一方的に投げ、背景をほとんど伝えなければ、回答は表面的になります。

一方、コラボレーターの発言は、その人の経験にもとづく個別の一次情報です。一人の意見を業界全体の総意にせず、役割や企業規模など条件の異なる人にも聞き、共通点と違いを見ます。

Spreadyを利用するときの流れ

利用は、相談、テーマ設計、コラボレーターとの接点づくり、共創セッション、示唆の整理という順に進みます。

1. 相談する

いまの仮説と、止まっている場所を共有します。「市場性を知りたい」だけでは面談相手も質問も決まりません。何が分かれば次の意思決定ができるかまで整理します。

2. テーマと人物像を決める

確かめたい問いから、誰のどの経験を聞くべきかを言葉にします。対象を狭くしすぎると候補が見つからず、広すぎると一般論が集まるため、行動と意思決定の経験で条件を置きます。

3. 共創セッションを行う

企業担当者とコラボレーターが対話します。現在の業務、直近の行動、既存の対処法を聞き、仮説と異なる事実を探します。サービスの説明だけで時間を使い切らないようにします。

4. 示唆を次の判断へつなげる

発言を並べるだけでなく、仮説を続ける、条件を変える、止めるのどれかへつなげます。追加で会う相手が変わった場合は、人物像を修正して次の共創セッションへ進みます。

Spreadyとほかの新規事業支援との違い

新規事業支援は、外部が何を担い、企業側に何を残すかで選びます。戦略の作成まで任せたい会社と、検証相手だけを探したい会社では、必要な支援が違います。

支援の型

外部が担うこと

企業側に残ること

向く状況

コンサルティング

調査・戦略・企画設計

意思決定・社内調整

進め方から設計を任せたい

伴走支援

検証設計と実行の一部

事業の主担当・判断

担当者はいるが進め方がない

スポット助言

特定論点への助言

検証設計と実行

聞きたい論点が一つに絞れている

共創プラットフォーム

会う相手の探索と接点づくり

質問設計・実施・示唆の抽出

仮説はあるが話す相手がいない

BPaaS

検証プロセスの継続運用

方針決定・結果の評価

検証を止めずに回したい

Spreadyが合わない状況もあります。

  1. 最大の詰まりが社内の合意形成にある:外部の声を集めても、判断する会議や責任者がいなければ進みません。
  2. 会う相手が既存顧客の中で特定できている:営業や顧客管理の情報から直接連絡するほうが早い場合があります。
  3. 構想を社外へ一切開示できない:対話には、相手が答えられるだけの背景共有が必要です。先に開示範囲を決めます。

支援範囲が広いほど良いわけではありません。社内で回せる工程を残し、足りない工程だけを外へ出すほうが、費用と意思決定の両方を管理しやすくなります。

まとめ

Spreadyは、新規事業の仮説を社外の実務者との対話で確かめるサービスです。会う相手の探索から、検証設計、結果整理、継続運用まで、社内に足りない範囲に応じて支援を選びます。

  • 共創探索:話すべき実務者との接点をつくる
  • 検証支援:何を確かめるかから、次の判断まで伴走する
  • BPaaS:検証を回す業務プロセスを継続して担う
  • HASSAN:検証候補となる新規事業アイデアを発散する

比較するときは、「何をしてくれるか」だけでなく、「質問設計、面談、判断のどこが自社に残るか」を確認してください。詰まっている場所が社外の相手探しなのか、検証の進め方なのか、検証を止めずに回す運用なのかで、選ぶ支援は変わります。

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